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講義がはじまった。

5/7
大学での講義が先週からようやく始まった。

四月の大学業務が始まらない20日間くらいは、本当につらかった。なにか強制的に引きこもりさせられているような、息子とEテレ見ながら、ずる休みして小学生が見ているみたいな気持ちになっていた。講義は、ゼミを除けば、4-7月の間で、だいたい50回くらい行う。90分ワンセットのおしゃべりが50回もできるというのは、なかなか嬉しいことだ(ぼくはずいぶんおしゃべり好きなのだと確認)。しゃべることは(こんなこと言うと学生の皆さんには申し訳ないが)、ぼくにとってかなりの精神的「デトックス」効果があるようで、この二週間でとてもすっきりしてきた。

学生のなかには「ブログ読んでますよ」と言ってくれるのもいる。でも最近更新してないものだから、「震災後に、先生なに考えているのかとアクセスしたが全然更新されない」と言われてしまった。「ブログ含め、とくにtwitterみたいな情報の洪水に巻き込まれるのも、ひとを巻き込むのも嫌だったから、ネット上に全然書けなかった」と返事した。本当に、そういう気分だった。

できたら、ブログを毎日とは言えないけれどある程度頻繁に更新していこうかなと思いますが、そう思ったのは、最近、このブログ、誰にも読まれていないような気がするからで、読まれていないなら、むしろどんどん書いていこうかなと。twitterの世の中に、隠れて、ブログする、と。ひそひそ声で、ダンスのこと、その他アートのこと、身の回りのこと、書いて行きます。

昨日は、「夢ナビ」から取材を受けた。大学ではぼくの学生時代では考えられないくらい精力的にオープンキャンパスが行われているけれど、これは大学講義の見本市というか、さまざまな大学から教員たちを集めて、ビッグサイトで講義をさせるというイベントなのだ。教員もパフォーマーであることが求められる時代になってきたということか。30分の講義を準備しなければならないのだが、「30分」しかないので、これは思い切って、早口ラップでもつくってみようかな。

さらに昨日は、取材の後で、3コマ講義を行った後、新百合ケ丘に。「サブロ・フラグメンツ」。とても面白く、新鮮に見た。腕を猛烈な早さで振り回しているさまには、「人力ロイフラー」という言葉が浮かんだ。トリアディックバレエを連想させる場面もあった(ぼくにはそう見えた)。「人力」状態がいいなと思わされた。映像の時代、情報の時代に、あえて「人力」、でもそれがそれであるが故に面白い、そう思わせるところに「ダンス」がいまもちうる最大の長所を見たくなった。「眼の前でひとが猛烈に腕を振り回している」というただその事態に、特別な価値をみとめるべきではないかと。ところで、終幕近くの、床に照明で白いラインが縞状に引かれ、そこにちょこんと体育座りしたり、横になったりしている場面は、どうしても「震災のメタファー」に見えてしまったのだけれど、そして、プログラムの文章からも、そういう読みを促すような箇所(3.11以後に内容を変更したという)があったのだけれど、こうした表現をぼくはいいともわるいとも判断ができないままでいる。震災後しばらく、テレビを消すわけにも行かないけれど、見れば不安になり、はがゆくなってしまうというあの気分にちょっと近いものがあるのかもしれない。震災を無視できないという状況は、でも、積極的に捉えれば、新たな、なにかフレッシュな表現を生むきっかけになるのかもしれない。「戦後文学」みたいに「震災後芸術」とでもいうしかない表現の状況にいまあるのかもしれない。

あ、明日で40だ
# by kmr-sato | 2011-05-07 06:29

artscape 2011/4

artscapeに批評文アップされました。

大倉摩矢子「Mr.」

高田冬彦『Many Classic Moments』(高田冬彦+平川恒太「第2回 道徳」展)

サンガツ『Catch and Throw Vol.1』
# by kmr-sato | 2011-05-03 05:36

『10+1』に書いたものたち

震災以後、何も書く気が起きず(いや、本当はそれでも三月には100枚くらいの原稿をいろんな種類書いてはいました、男性ファッション誌『HUGE』に寄稿したり、しかし、こうしたネット上に文章を書く気がまったく起きませんでした)、久しぶりに投稿します。

とりあえず、いまはartscapeなどでお仕事をしている編集者さんから、『10+1』で書いたものがウェブ化されたと聞いていたのに、どこにも宣伝しなかったので、宣伝しますね。

「コレオグラフィとしての都市・東京」(『10+1』No. 47, 2007)

かなり早い時点でのChim↑Pom評です、少なくともまとまった量としては、ぼくが書いた最初のChim↑Pomについての原稿です。

それにしても、今日見たヘンリー・ダーガーの素晴らしいこと(@ラフォーレ原宿)!

フェルメールとかシャガールみたいに、十年後くらいには、超メジャー的な人気を得るのかもしれないな。見ているとふかーい気持ちになる。ふかーく、自分のなかのロリータコンプレックスのなかに溺れて行きそうになる。

あ、そう、そこで菊地成孔さんが、ダーガーみたいな徹底した引きこもりは、ネット的なコミュが発達した社会では不可能だ、みたいなコメントを展示会場の出口手前に吊るしてあったコメント文で書いていたけれど、そうでもあり、そうでもないと思った。菊地さんの文章(思考)は、ある小さい枠をものごとに嵌め込んで、その枠で縁取られた世界を「世界」として語るきわめてエレガントな語り口に魅力のほとんどすべてがあると感じるのだけれど(素晴らしい批評文というのは、ほとんどすべてそういうものだとも思うのだけれど)、その「枠」がひとを縛るところに発生する快楽についても理解しているつもりだけれど、でも、もうそういう「枠」から自由でいたいなとも思うのだ。ダーガーは可能だ。絶対にそうだ。3/11以降、ネット上にほとんどなにも書き残さなかったからと言って、ぼくの人生に何もなかったはずはない。いろいろとあって、ただネット的にそれが公開されていないだけだ。公開されていないものだらけなのじゃなかろうか、人生の大部分は。ダーガーの思いの強さに誰もが打たれる展示だと思うのだけれど、その強い思いが「もうない」などと思う必要はまったくないのではないだろうか。ぼくはダーガーに打たれ、そして未来のダーガーを待っている自分に気づいた。
# by kmr-sato | 2011-05-02 20:47

バリバラ

バリアフリー・バラエティー(NHK教育テレビ「きらっといきる」金曜20:00-)がとても気になる。(このページからいろいろ過去の動画が観られます。)

twitterで思わずもらしたように、先週は爆笑してしまった。けれど、なぜぼくは笑ったのか、その笑いの仕組みがまだよく分かっていない。「かわいそう」とか「がんばってる」とかそんな理由じゃないはず。既存の笑いがぶっこわれて、なにか新しい次元が開かれていき、その開かれた先に未来があるという感じがしたのだ。

最新の『Quick Japan』でも、とりあげられていた(今月号はとても面白い。買いです。密かに、めちゃいけのBPOに対決した番組は本当に奇跡のように素晴らしいと思っていたのですが、誰もそのことをその後語っていなかったので、座談会でその話題が出て本当にうれしかった、なんてこともあったりなど)。

「鮫肌 僕は去年の中で一番衝撃だったのは『バリバラ』なんですよ。
高須 あれ、どう受け止めていいか、個人的にはわからんねん。
……
鮫肌 番組内容を一応説明すると、「障害もひとつの個性」ってところで、たとえば障害者の芸人がたくさん出てきてネタをやるわけですよ。テレビでメシ食べてる人が一番衝撃を受けた番組だと思う。
田中 幕が開いて車椅子が並んでいる状況なんて、あるわけないと思ったからね。
樋口 『ナニコレ珍百景』のパロディ観ました?車椅子のスロープの下のほうになぜか階段がある映像が流れるんですよ。そしたら「こんなのありえないよ!」ってみんなで笑う(笑)。健常者は絶対に気づかない視点というのが、いい切り口だなーと。」

「中野 番組身観ると、相当巧妙な作り方をしてるんだよね。
田中 うん。『バリバラ』は最初から「笑かそう」って言っちゃってるからセーフなんだよ。途中途中、MCの山本シュウとか、みんな笑っている絵を入れるじゃん。「笑っていいんですよ」ということが視聴者に伝わるようにしてある。微妙に押しつけっぽいけど。
中野 それにあの番組、『きらっといきる』のフレームの中での企画でしょ。福祉番組と同列のものとして放送してるのも巧妙。
鮫肌 それを何の前触れもなくスペシャルでやったのには本当にびっくりした。視聴率はスペシャルで0.6%だったらしい。
高須 それぐらいかー。描き方が納得できなかったり、面白いものとして観るには重く感じる人もいるんやろうね。
樋口 観ないことを障害者へのいたわりだと思ってる人もいますもんね。僕は面白いか面白くないかの判断でイイと思う。」

(『Ouick Japan』Vol. 94, 2011)

大事なのは、ホームページの中で「障害のある人もない人も、一緒に笑いながらバリアフリーについて考えてみませんか。」と呼びかけられている一方で、「「きらっといきる」は障害のある人が主人公です。」という言葉や「障害者の 障害者による 障害者のためのバラエティー番組。」なんて言葉に込められたことではないかと思う。「障害者のための」笑いだということ。


# by kmr-sato | 2011-03-03 11:26

身体=機械のダンス

Das Mechanische Ballet 1923 by Kurt Schmidt and Georg Teltscher
とあるが、、、

当時のものではないと思うけど

「機械時代」の身体=機械のダンス
# by kmr-sato | 2011-03-01 14:31


ダンスについて書きます


by kmr-sato

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