身体表現サークル(6) Rube Goldberg Deviceと(2)

おはようございます。

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朝焼けがまぶしいです。

ムバラクは辞任を表明しました。前途多難でしょうが。世界は刻一刻変化しています。

さて、前回は、身体表現サークルをルーブ・ゴールドバーグ・マシーンとして見るということをしてみました。これからその後半を書いてみよう思います。

ちなみに「Chain Reaction」展のカタログには、他にも

Tim Hawkinson

Steven Brower

Sam Easterson

Roman de Salvo

らが紹介されていました。

こうした「Chain Reaction」系のアーティストたちの「父」のひとり、マルセル・デュシャン。

e0233387_7121249.jpgおそらく、デュシャンの機械へのアプローチとゴールドバーグを重ねつつ、デュシャンの「レディメイド」概念をさらにそこに加えてみることで、いろいろと明らかになることは多いだろう。実際、Michael Northの「Machine-Age Comedy」を読むと、デュシャンとゴールドバーグの関係のみならず、この「レディメイド」概念が加えて論じられており、しかも「レディメイド」概念は、ベルクソンの「笑い」から影響を受けているのではないかという推測がなされている。

このあたりは、みっちりと興味深いことがらが詰まっていますが、いずれ考えることにして、この著作のなかでNorthがルーブ・ゴールドバーグ・マシーンについて、こうした特徴を指摘している点に注目してみることにしましょう。

「注目すべきことに、典型的なルーブ・ゴールドバーグ装置は、電気なしの世界に存在している。動機づけとなる力は、風や水や重力といった自然なのである。最初に「発明」のひとつを駆動させる動機づけの力は、しばしば人間ないし動物の反応から有機的に生成される。それはたいてい痛みであり、漫画の世界にふさわしい、しかしほとんどの場合、恐怖、怒り、嫉妬あるいは混乱としての反応なのである。Remarkably, the standard Rube Goldberg device inhabits a world without electricity, the motive power sources are natural: wind, water, or gravity. Frequently, the motive power initially driving one of the “invention” is organically generated from some human or animal reaction, usually pain, as is perhaps appropriate in the world cartoons, but almost as frequently fright, anger, jealousy, or even confusion. 」(Michael North, Machine-Age Comedy, p. 90)

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これは、なかなか興味深いポイントだと思う。
というのも、いわゆる「ルーブ・ゴールドバーグ・マシーン」といわれているものは、その多くが、この点において、ゴールドバーグ的ではないからだ。それにもかかわらず、ゴールドバーグの漫画の魅力は、ほぼそこに集約されているように思われる。

ゴールドバーグの漫画において「動機づけとなる力」はたいてい自然であり、また人間や動物の反応である。一方「マシーン」の多くは、擬人化されている場合、ひとや動物に模している場合があるとはいえ、ひとや動物の力を漫画にあるようにそのまま持ち込むことは、ほぼ、ない。

デュシャンの「大ガラス」もその点では同じだ。けれども注目したいのは、「独身者たち」の機械がどんな力で働くことになっているのかということ。近くにあった本を参照すると、「独身者たち」の一部である「九つの雄の鋳型」と「チョコレート粉砕器」についてこうある。

「これら九つの鋳型のなかにはガスがつめられていて、それが上端の「毛細管」を通って、中央の七つの三角形の重なったような部分である「濾過器」へ運ばれるという。このガスの移動が独身者たちの欲望の高揚を物語るが、ガスは最後には「チョコレート粉砕器」の回転へと収斂し、つまりは独身者の自慰に終わるということのようだが、これもひとつの読みに過ぎない。」(『デュシャン 新潮美術文庫49』p. 60)

なるほど、ゴールドバーグの漫画に似て「大ガラス」では、人間の身体的なリアクションが機械を動かす仕組みになっているわけだ。

ここに見られるのは、機械に組み込まれる人間、機械と見なされる人間である。人間=機械。しかし、この機械人間は、機械化された人間というよりは、欲望を抱えている、大いに人間的な存在である。

機械として仕組みのなかに組み込まれているからこそ、人間としての本性があらわになっている、というのが、解くべき特徴なのかもしれない。

そして、身体表現サークルとは、まさにそうした特徴をそなえた人間=機械なのだと、考えてみたらどうだろうか。

と、もろもろ考えた後で、あらためて、見てみましょう。

身体表現サークル 02/02 吾妻橋ダンスクロッシング2004年7月公演

「花嫁」が「独身者たち」の欲望を刺激してます(笑 ほんとか)

ところで、

なぜぼくたちは、ルーブ・ゴールドバーグ・マシーン的「チェイン・リアクション」が好きなのか、この問いが解かれなければならないだろう。
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by kmr-sato | 2011-02-13 09:18


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